土浦第一高校附属中学校など茨城県立中高一貫教育校が続々開校!特徴や入試情報まとめ

はじめに

令和2年度から4年度にかけて、茨城県に県立中高一貫校が10校開校します!

各地に中高一貫校ができるということで茨城県にお住まいの小学生のお子さんや保護者の関心が高まっています。

今回、茨城県立中高一貫教育校の教育内容における特色や、既設の並木中等教育学校との違い、授業料や入試などについての情報を調査しました。

開校時期

茨城県立の中高一貫校は、令和2年度に5校、令和3年度に3校、令和4年度に2校開校します。

令和2年度に開校するのが太田第一高・鉾田第一高校・鹿島高校・竜ヶ崎第一高校・下館第一高校の各附属中学校です。

続いて令和3年度に開校するのが水戸第一高校と土浦第一高校の附属中学校・勝田高校の敷地にできる、ひたちなか地区中等教育学校(仮称)です。

令和4年度に開校するのが水海道第一高校と下妻第一高校の附属中学校です。

では、新規開校の高校併設型の中高一貫校と、並木中等教育学校など従来の中高一貫校は、どのような違いがあるのでしょうか。

併設型と中等教育学校との違いは?

茨城県には現在、2つの中等教育学校があります。並木中等教育学校、古河中等教育学校です。令和3年度開校予定のひたちなか地区中等教育学校(仮称)も中等教育学校に該当します。

中等教育学校は、全生徒が6年一貫であり高校からの募集はありません。

これに対し、日立第一・水戸第一・土浦第一などの併設型の中高一貫校は、高校から学級数が増えます

例えば日立第一・水戸第一・土浦第一高等学校は、中学入学時において2学級分募集し、高校からは4学級を募集します。

出典 茨城県教育委員会公表資料

このたび複数の中高一貫校が茨城県内に新設される趣旨としては、

  • それぞれの地域で中高一貫教育を可能にする
  • 豊かな人間性と起業家精神を兼ね備えた、地域や世界で活躍する人材を育成する

とのことです。

では、新しく開校する中高一貫校にはどんな特色があるのでしょうか。

新しく開校する中高一貫教育校の特徴【学習編】

茨城県立中高一貫校の特徴と活動例をご紹介します。

中高一貫教育校では、全体的に教科横断的な視点により教育活動が展開されます。

※令和3・4年度開校中高一貫校については既設の県立中高一貫校の取組みを参考に検討される予定です。また、学校により少し異なる可能性があること、検討段階の事柄が含まれることをご了承ください。

学習面では4つの特色

探究活動(地域探求セミナー)

まず、探究活動が行われます。これは総合的な学習の時間であり、フィールドワークを行なったり、特定の課題についての研究などを行ったりするものです。

国際教育

茨城県立中高一貫教育校は、国際教育にも力を入れています。外国語指導助手(ALT)も副担任になるなど、ALTが複数配置されることにより、朝の会や英語以外の授業や行事などでの交流することができます。

これらにより実践的な英語力を養っていく環境があるようです。

それ以外にも、マンツーマンでの英会話レッスン、国内外での語学研修や英語を用いたプレゼンテーションやディスカッションも予定されています。

科学教育

科学教育も充実しています。

地域の研究者による特別理科授業や、教科横断的なテーマでの課題の発見・探究・解決をおこなう計画的・継続的な探究活動により、科学技術を支える人材を育成するとのことです。

ICT教育

Wi-Fiの整備・一人一台の端末(令和2年度開校5校では中学校卒業まで一人一台貸与)・遠隔教育システムなどの環境が整備されています。

調べ学習など授業のなかでパソコンを活用したり、課題解決型学習や学習アプリを活用したアダプティブラーニング(個に応じた学習)を行なったりする予定です。ほかにも、他の中高生との交流にも使われるようです。

コロナ禍による休校期間中も、一人一台貸し出したパソコンを活用してオンライン授業を行った附属中学校もあるようです。

これらが中高一貫校の4つの大きな特色です。4つは各々独立したものではなく、遠隔教育システムを用いて探求活動の発表を英語で行うなど、有機的に活用されます。

それらの特色を生かし、令和2年度開校5校では「探究プロジェクト」が行われています。

5校の生徒たちが4つの事業「イングリッシュ・スタディ」「未来の自分発見講座」「探究テーマ意見交換会」「探究活動成果発表会」を協働で企画・立案するというものです。

それから、一部の教科では、先取り学習や習熟度別学習が行われます。

先取り学習・習熟度別学習

中高一貫という特徴を活かし、学習内容によっては高校の学習内容の一部を中学で扱うことがあります。

また、国語・数学・英語において習熟度別学習が行われる予定です。

次に、学校行事や生活面ではどのような特徴があるかをご紹介します。

新しく開校する中高一貫教育校の特徴【総合編】

中学生と高校生の交流

茨城県立中高一貫教育校では、文化祭や部活動、生徒総会、探究活動の成果発表会などにおいて中学生と高校生が一緒に活動します。

例えば土浦一高の場合、「一高祭・一高オリンピック・歩く会」などの3大行事を中心に行事を中学生と高校生が一緒に行う方向で検討しているそうです。

併設型は高校から混合学級

高校併設型の中高一貫校においては、併設型中学校から高校へ入学する際は、他の中学校から入学する生徒と混合のクラスとなる方向で検討されています。

それにより内部生と高校からの入学者が切磋琢磨します。

例えば鉾田第一高校は、中学からの進学者(内進生)40名、高校からの入学者(高入生)200名ですが、高校1年生の6学級のうち2学級は内進生20名、高入生20名の混合学級、残りの4学級は高入生40名の学級となることが予定されています。

高校2年生以降は内進生、高入生関係なく、希望や適性により、文系、理系などに分かれていきます。なお、日立一高・水戸一高・土浦一高・並木中等・古河中等には、医学部を目指す医学コースも設置されています。

複数担任制

茨城県立中高一貫教育校においては、複数担任制であり、さまざまな先生と関わり、相談することができます。

つづいて、授業料・入試などの基本情報をお伝えします。

基本情報

授業料など

県立中高一貫教育校(併設型と中等教育学校)の前期課程(中学校に相当する部分)については入学金・授業料はかかりません。制服代・体操服・教材費・宿泊積立金等は別途必要です。

高校や後期課程(高校に相当する部分)ついては他の県立高校同様の入学金・授業料・諸費用が必要です。

給食は?

給食も実施される予定ですが、学校によっては施設が整ってからの実施となります。

高校へ無試験であがれるの?

中学校(前期課程)から後期課程や併設高校に進級する際は入試等はありません。すなわち中学校(前期課程)を卒業できれば無試験で高校に進学することができます。

入試は?

適性検査と面接です。

適性検査Ⅰは、思考力・判断力・課題を発見し解決する力、適性検査Ⅱは読解力・分析力・表現力などをみるものです。

適性検査はどの茨城県立中高一貫教育校も同じ内容で、同じ日に各学校で実施されます。

面接は受検者のみの5人程度の集団面接で、学習への意欲や6年一貫の学校生活への適性をみるとのことです。保護者の面接はありません。

合格基準や配点は公表されていませんが、適性検査、面接だけでなく、出願時に提出する調査書や志望理由書も併せて評価の対象となるようです。

適性検査の点数のみ開示請求ができます。

出願要件

茨城県在住(または在住予定)で小学校卒業見込みの方。どの学校でも出願できますが、県立学校同士で併願はできず、ひとつだけを選んで出願することになります。

まとめ

茨城県立中高一貫教育校の特徴をご紹介しました。

ひとつしか出願できないので、並木中等などの従来の一貫校か、新しい併設型中高一貫校か、どちらを受験するか、という悩みもでてきそうですね。

並木中等と土浦一高については別記事で大学合格実績の比較をしていますので、ご興味がある方はご参考ください。

※この記事は、茨城県教育委員会と各学校の公表資料にもとづいて作成しました。
※あくまで予定であり、実際とは異なる可能性があります。また学校により、異なることもありますのでご了承ください。ご検討される際には、実際に検学校等に最新の情報をご確認ください。